遅ればせながら、、、2017ハセツネレポート

窮地をしのぐと必ず自分の時間がやってくる。この10年でトレランが教えてくれた事だけど。

 

いつでもそんなに前向きなわけじゃない。ずっとやめる理由を探し続けている、そんな日だってある。脚が痛い、腰が痛い、吐き気がする、もうこれ以上動かなくてもいい理由を。

 

それでも走り続けようとするのは、フィニッシュが素晴らしく輝く場所だという事を知っているからだ。

  • 水(エレクトロライトショッツ)2L
  • エネルギージェル16本(フラスクに7本×2、+2本)
  • 電解質タブレット適量
  • ペスパハイパー2ヶ

浅間峠(第1関門)22.66km通過

浅間峠を通過したところで、5回目の補給をしようと左前ポケットのフラスクへ手を伸ばした。すぐに右半身の異変に気付いた。ハーネスからショーツまで、ヌメヌメと何かが光っている。。。

 

右側のポケットに入れていたジェル7本分のフラスクが破裂(ほぼペッタンコ)。すぐに取り出して、左側の生きているフラスクに移し替えようとするもうまくいかず。少しでも身体の中に流し込もうとフラスクをチューチューするもうまくいかず。。身体にまとわりつくジェルをすくおうとしたけど、ベタベタが広がるだけで、むしろメンタルが弱るという逆効果。。。

 

まさかのフラスク破裂事件で推定6本分を失う大損害。気持ちが凹むと身体も動かなくなる。。。

左フラスクに残り4本分+予備2本の合計6本。このチューチューを5回目の補給とカウントして、フィニッシュするまでに想定される残り時間は5時間30分(8時間設定)。私は30分に一本ペースなので、スタートから5.5時間でジェルが底をつきるという大ピンチに陥った。

 

補給計画を大きく見直し補給は1時間に1回、できるだけ省エネ走行で、としたものの我慢できるはずもなくチューチュー。その度にやっちまったっ!!と猛省。しかし気がつけばチューチュー。。。(弱い、弱すぎる。。。)

月夜見山(第2関門)42.09kmへ

真っ暗な山中から抜け出すと、1.5Lの水分補給(ポカリor水)が許される月夜見エイドだ。明るくてオアシスのようだった。禁断のチューチューにより自分が嫌いになりそうな、そんな闇にいた私を温かく迎えてくれたのはニューハレ芥田さんだった。”水ですか?ポカリですか?”川に落とした斧を拾ってくれるヘルメース神の神々しさ。

 

斧を失ったキコリよろしく、ジェルを失った山田に芥田さんが手渡してくれたのはジェルの水割り。フラスクが一瞬で満タンに!!ほら、これで大丈夫だ!!

 

おおお、すごい!!

 

元気になり、再び闇の中に飛び込んでいく。満タンになったフラスクで完全復活!!

 

なわけはない。薄い。みるみる力が抜けていく。ヤバい、、、御岳山58kmを過ぎたところでハンガーノックの初期症状が出始め立ち止まって休憩することにした。

 

しかしこの日は本当についていた。ヨロヨロと進み続けているとなんと道端にカロリーメイトが、、、落ちている!先を行く選手の落し物?いやいや、ニューハレ芥田神の御加護だろう。迷わず拾い食い。落ちているものを食べてはいけないというルールはなかったはず。大人のプライド!?ありません。

日の出山(第3関門)60.55km~フィニッシュ 71.5km

その後、下心満載でジェルを二つ拾うも、いずれもハズレ(空っぽ)。しかしずっと一緒に走っていた堀江選手(総合7位)と引っ張り合いながら励ましながら走らせていただいたお陰でフィニッシュに辿りつけた!

6位 8時間45分14秒

今までで出場したハセツネの中で一番遅いタイムだった。でもフィニッシュすら危ぶまれた中で、ここに辿り着けた事が心から嬉しかった(6位入賞というおまけ付き)。拾い食いの力は偉大だし、ゴミ拾いも神様は見てくれていたのだろう。

 

気がつけばトレランをはじめて10年。今でも色々なことが起こるし、その一つ一つが強烈だ。今回のように偶然やラッキーがいつもあるわけじゃない。でも、前に進み続ける事でしかチャンスに出会えないし、拾い食いもできないって事を改めて教えてもらった。

 

応援ありがとうございました!2017レースは残すところ駅伝と初のフルマラソンのみです。

感謝

Photo:Sho Fujimaki

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